中学2年の一次関数で出てくる「増加量」は紛らわしい用語のひとつです。
増加量なのに「増えている」とは限らないからです。
まずは、次の問題を解いてみてください。
【練習問題】一次関数「y=−3x+5」において、xが4から6まで変化したときのyの増加量を求めよ。
解き方としては、単純にxが4のときと6のときのyの値を求めます。
xが4から6まで変化したときのyの値は−7から−13に変化しています。
「−7から−13に」って減ってんじゃん!
と思いますよね。
「増加量を求めよ!」との問いなのに減っています。
ワケわからなくなりますよね。
ただ、これは「解なし」でも問題文のミスプリでもありません。
中学1年の数学で「正負の数」を勉強したことを覚えていますか。
1学期の最初に習う単元です。
【正負の数の問題】
「3時間前」を負の数を使って表しなさい。
覚えてますか?
答えは「−3時間後」です。
日本語としてはヘンな表現方法なのですが、数学ではこれがアリなんです。正反対のことを符号を変えて表現するのです。
「10減少した」を「増加した」にするには符号を変えればいいというわけです。
「−10増加した」=「10減少した」です
一次関数の「増加量」にもこの考え方を用います。
xが4から6まで変化したときのyの値は−7から−13に変化しました。
増加量を求める式は次の通りです。
【増加量を求める式】
変化後の値−変化前の値
この式に練習問題のyの値をあてはめて計算します。
これがyの増加量です。
答え.−6
「−6増加した」というのは「6減少した」と同じ意味です。
「増加量を求めよ」だからマイナスが答えだとオカシイ…なんて考えてしまうのは間違い!日本語と数学での用語の使い方には違いがあります。混同しないように気をつけましょう。