
【式による証明問題(2ケタの自然数)】
2ケタの自然数と、その自然数の十の位と一の位の数を入れかえた自然数の和が11の倍数となることを証明せよ。ただし、最初の自然数の一の位は「0(ゼロ)」以外とする。
文字式による証明問題では2ケタの自然数に関する問題も定番です。
問題文の意味は分かりますか?
具体的な数字で考えてみましょう。
例えば、2ケタの自然数を「76」とすると、その自然数の十の位と一の位の数を入れかえた自然数とは「7」と「6」を入れかえた「67」のこと。
その和とは、76+67のこと。
これが11の倍数になるというわけです。
76+67=143です。
143=11×13で11の倍数となっています。
76以外の数字でも、常に11の倍数となることを証明せよという問題です。
まずは、2ケタの自然数の表し方から考えます。
十の位の数を「a」、一の位の数を「b」とすると、2ケタの自然数は「10a+b」となります。具体的な数で確認しましょう。
49で考えてみます。
十の位の数は「4」、一の位の数は「9」です。
4×10+9=49ですよね。
十の位の数に10を掛けたものに、一の位の数を足すだけです。
問題文には「十の位と一の位の数を入れかえた自然数」が出てきます。
これも文字式で表します。
最初の2ケタの自然数を「10a+b」とするなら、十の位と一の位の数を入れかえた自然数は「10b+a」となります。これで2つの自然数が文字式になりました。
2ケタの自然数…「10a+b」、十の位と一の位の数を入れかえた自然数…「10b+a」から2つの自然数の和は次のようになります。
【2つの自然数の和】
「10a+b」+「10b+a」
この式を整理すると、
【2つの自然数の和】
「10a+b」+「10b+a」=11a+11b
「11」がaとbに共通しているのでカッコでくくると、
11(a+b)
(a+b)は整数なので、11の倍数となるというわけです。
ちなみに、これ例題が2つの数字の差となった場合は、9の倍数となります。
【2つの自然数の差】
「10a+b」−「10b+a」
この式を整理すると、
【2つの自然数の差】
「10a+b」−「10b+a」=9a+9b
あとの考え方は「11」のときと同じです。
あわせて覚えておきましょう。