素因数分解のやり方を覚える前に、まず素数について知らなければなりません。
まずは、定義を確認しましょう。
【素数とは】
素数とは、1と自分の二つしか約数を持たない自然数(1は素数ではない)。
約数というのは割り切れる数のことです。
例えば、4は1と自分(4)以外にも2で割りきれます。
なので、4は素数ではありません。
一方、5は1と自分(5)以外では割り切れません。
なので、5は素数です。
1から100までだと素数は全部で25個あります。
下の図の赤字(2,3,5,7,11…)が素数です。
素因数分解とは、その数を素数の積(かけ算)で表すことです。
「100を素因数分解せよ」とは、「100を素数のかけ算で表せ」という意味です。
素因数分解のやり方は、素数で割っていくことで行います。
例題で見てみます。
【例題】840を素因数分解せよ。
840を素数で割り、その答えをまた素数で割ります。
できるだけ小さい素数で割るようにします。
割れなくなるまで(最後が素数になるまで)コレを続けます。
「割った数すべて」と「最後の答え(ここでは7)」のかけ算が答えとなります。
答え.2³×3×5×7
素因数分解で間違いやすいのは、まだ割れるのに割るのをやめてしまうケースです。
それでは正解になりません。
これを見極めるポイントは最後の答えが素数かどうかということ。
素数なら、もう割り切れませんが、素数以外なら割り切れます。
この見極めができるようになるためには、素数を覚えておく必要があります。
中学数学で取り扱う素数は、だいたい100までぐらいです。
100までの素数表(下記)で覚えておきましょう。
100までと言っても、よく出るのは29ぐらいまでです。
暗記しておきましょう。
素因数分解を利用した典型的な応用問題に次のようなものがあります。
【問題】
252に自然数aをかけたら、ある別の自然数の平方となった。
最も小さい自然数aを求めよ。
この問題は素因数分解を利用して解くことができます。
まず、252を素因数分解します。
252=2²×3²×7
252には、6(2×3)の平方があり、残っているのは7です。
これを平方にするには7をかければ良いことがわかります。
答え.7
(補足)252×7=1764で42の平方(42×42)となります。