
数検(数学検定)について、そのメリット、レベル、勉強方法を中学生向けに解説しています。
英検ほど有名ではありませんが、受験者数も増加中です。
数学検定(略して数検)とは、その名の通り数学の学力を測る検定です。
誰でも受検することができるので、小学生でも受検している人がいます。
中学生の場合、数検を取得取得しておくと、高校入試のときに有利に働きます。
学校(受験高校)により推薦入学や内申点にプラスされることがあるためです。
一例をあげると、次のように高校入試で有利になります。
高校名 | 都道府県 | 対象級 | メリット |
---|---|---|---|
帝京八王子高等学校 | 東京都 | 3級以上 | 一般入試、推薦入試において内申点に3級は+1,準2級以上は+2を加点 |
日本大学鶴ヶ丘高等学校 | 東京都 | 準2級以上 | 推薦入試において推薦基準より「−1」の数値で出願を認めている |
保善高等学校(普通科) | 東京都 | 準2級以上 | 一般入試、推薦入試において内申5科の評定に「+2」として評価 |
3級 | 一般入試、推薦入試において内申5科の評定に「+1」として評価 | ||
大阪桐蔭高等学校(普通科TUV類) | 大阪府 | 準2級以上 | 入学試験の「数学」において点数(得点)を以下の通り保障する。準1級:90点、2級:70点、準2級:50点 |
ココに掲載したものはあくまでも一部です。
数検取得者を入試で優遇している高校は他にもたくさんあります。
数学検定のレベルは1級から11級まで(準1級、準2級を含む)に分かれています。
中学生が受験するレベルとしては3級から5級が一般的です。
それぞれ次の割合で出題されます。
レベル | 高1 | 中3 | 中2 | 中1 | 小6 | 小5 |
---|---|---|---|---|---|---|
準2級 | 50% | 40% | ||||
3級 | 30% | 30% | 30% | |||
4級 | 30% | 30% | 30% | |||
5級 | 30% | 30% | 30% |
表の見方…準2級の問題は、高1レベルから50%、中3レベルから40%出題される。
各級とも残り10%は数学検定の特有問題のため、学年による分類はできないものです。
中学3年生は3級、2年生は4級、1年生は5級というのが標準です。
ちなみに、数学検定全体の中で最も受検者数が多いのが3級です。
なお、数学検定で中学3年〜1年の範囲としているのは次の通りです。
中学1年 | 平方根、式の展開と因数分解、素因数分解、二次方程式、三平方の定理、円の性質、相似比、面積比、体積比、簡単な二次関数、簡単な統計など |
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中学2年 | 文字式を用いた簡単な式の四則混合計算、文字式の利用と等式の変形、一元一次方程式、連立方程式、平行線の性質、平行線と線分の比、三角形の合同条件、四角形の性質、相似条件、一次関数、確立の木曽、相関図と相関表など |
中学3年 | 正の数・負の数を含む四則混合計算、文字を用いた式、一次式の加法・減法、一元一次方程式、基本的な作図、平行移動、対称移動、回転移動、空間における直線や平面の位置関係、扇形の弧の長さと面積、平面図形の構成、空間図形の切断・投影・展開、柱体・錐体及び球の表面積と体積、直角座標、負の数を含む比例・反比例、近似値と誤差、度数分布とヒストグラム、平均値と範囲など |
参考までに、小学校6年、5年の範囲は下記となっています。
小学6年 | 分数を含む四則混合演算、円の面積、円柱・角柱の体積、速さの理解、縮図・拡大図、対称性などの理解、基本的な単位の理解、比の理解、比例や反比例の理解、資料の整理、簡単な文字と式、簡単な測定や軽量の理解など |
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小学5年 | 整数や少数の四則混合演算、約数・倍数、分数の加減、三角形・四角形の面積、三角形・四角形の内角の和、立方体・直方体の体積、平均、単位量あたりの大きさ、多角形、図形の合同、円周の長さ、角柱・円柱、簡単な比例、基本的なグラフの表現、割合や百分率の理解など |
2017年度の級別受検者数と合格率は次の通りです。
級 | 受検者数(人) | 合格率(%) |
---|---|---|
1級 | 1,134 | 6.5 |
準1級 | 4,830 | 18.9 |
2級 | 21,352 | 30.4 |
準2級 | 51,418 | 37.3 |
3級 | 103,120 | 59.0 |
4級 | 43,361 | 70.2 |
5級 | 34,206 | 72.3 |
6級 | 19,004 | 84.8 |
7級 | 16,332 | 79.2 |
8級 | 16,674 | 87.6 |
9級 | 16,354 | 91.2 |
10級 | 15,405 | 95.2 |
11級 | 13,231 | 95.9 |
ゴールドスター | 2,269 | 98.4 |
シルバースター | 1,479 | 98.4 |
合計 | 360,169 | 64.5 |
(出所:数学検定ホームページ)
数学検定は出題パターンが決まっているので、過去問を解くことが一番の勉強になります。
一度だけでなく、繰り返し解いて解法パターンを身につけておくことが高得点に直結します。
また、数学検定は良問が多いので、しっかり勉強することで数学の地力がつき、高校受験にも役立ちます。検定を受けなくても、数検の問題で勉強することをオススメします。